はじめに
UJAM製プラグインは、どれも手軽に高クオリティの演奏を実現できるので非常に気に入っています。しかし、UIが洗練されすぎている(+英語)が故に、ユーザーガイド無しでは使いこなすのが難しいようにも感じます。
そのユーザーガイドも英語で書かれている上に文量が多く、少しハードルが高いため、当サイトで(手元にある限りの)UJAM製プラグインの使い方を初心者向けにまとめてみようと思います。
記事に従って順番に操作を確認していくことで、プラグインを一通り扱えるようになるはずです。
なお、特定の機能の説明だけ確認したい場合は、記事の最初にある目次からお探しいただくことをおすすめします。
今回はVirtual Guitaristシリーズから「CARBON」を取り上げます。
公式ページはこちら:
公式ユーザーガイドはUI右上部にあるⓘボタンから「Read User Manual」を押すか、またはこちらから確認できます。
動作確認環境
DAW | Studio One 7.0.2 |
CARBON | Version 1.3.0 |
使い方
DAWからCARBONを起動すると、画像のようにUIが表示されます。
メニューバー
UI上部のメニューバーでは、主にプリセットの選択や保存を行います。
① Preset
パラメータのプリセットを選択します。
CARBONには、5つの音楽カテゴリーに分けられた計150種類ほどのファクトリープリセットが収録されています。1からの音作りに自信がない方は、ファクトリープリセットから好みのサウンドを探し出し、調整を加えていくのがよいかと思います。
② Save
自作プリセットの上書き保存を行います(ファクトリープリセットの上書き保存はできません)。
③ Save As…
自作プリセットの新規保存を行います。
⑤ Info Icon
バージョン情報やライセンスキー,各種Webページへのリンクが含まれたウインドウを表示します。
キー操作(Playerモード)
CARBONはPlayerモードとInstrumentモードを切り替えることが可能ですが、まずはデフォルト状態であるPlayerモードの操作について確認していきます。
⑤ Mode Selector
PlayerモードとInstrumentモードを切り替えます。
⑥ Style
⑧ Style Phrasesのセットを選択します(全50セット)。
各スタイル名に書かれているBPMは、フレーズを使用する際の推奨BPMを表しており、そのBPMで使用しなければいけないというわけではありません(実際はDAW側で設定したBPMで演奏されます)。
⑦ Common Phrases
⑥ Styleに関係なく使用できる、共通のフレーズを選択します。
⑧ Style Phrases
⑥ Styleで選択したセットからフレーズを選択します。
⑨ Single/Chords Mode
単音(「Single」)とコード(「Chords」)のどちらで演奏するかを選択します。
⑩ Key
楽曲の調を選択すると、その調のメジャースケールに含まれる音のみが⑪ Play Rangeの各キーに割り当てられます。
⑪ Play Range
⑦ Common Phrasesまたは⑧ Style Phrasesで選択したフレーズを演奏します。
⑨ Single/Chords Modeが「Single」の場合は単音のみを、「Chords」の場合は4和音までのコードを入力することができます。
その他の操作(Playerモード)
Playerモードにおける、キー操作以外の部分について見ていきます。
⑫ Volume
左のスライダーから、音量を-infから+12dBの間で調整します。
また、右のメーターで音量を確認します。
⑬ Pitch
ピッチを-1全音~+1全音の範囲でベンドします。
⑭ Finisher
後述のFinisher Levelと同じ動作をします。
⑮ Micro Timing
押下すると、画像のような画面が開きます。
Speed
フレーズの速度を選択します。
Feel
弱拍(2拍目, 4拍目)のずらし方を調整します。
「Push」側に寄せると、弱拍の演奏が少し早くなり、急いでいる感じが出ます。
「Pull」側に寄せると、弱拍の演奏が少し遅くなり、落ち着いた感じが出ます。
Swing
スウィングのかけ方を調整します。
最大値にすると、弱拍のタイミングが3連符の最後の音符と同じになります。
⑯ Latch
この機能を有効にした状態で⑪ Play Rangeを操作すると、手を離した後もフレーズを繰り返し演奏し続けます。
フレーズを再生しながらサウンドを調整する、といった場面などで便利です。
MIDIキーボードにサステインペダルが付いている場合、ペダルを踏むことで一時的にLatch機能をONにできます。
キー操作(Instrumentモード)
⑤ Mode Selectorで「Instrument」に切り替えると、モード名の通り、より楽器的な演奏を行うことができます。
⑰ Articulations
ギターの弾き方を指定します。
Legato
D♯キーで有効にすると、実際のギターにおけるスライドなどのテクニックが考慮されるようになります。
ユーザーガイドでは、メロディーや単音リフを演奏する場合は有効に、コードを演奏する場合は無効にすることが推奨されています。
Short → Long
パームミュートの加減を選択します。
F2キー | G2キー | A2キー | B2キー | C3キー |
デッドノート | フルミュート | ハーフミュート | 軽くミュート | ミュート無し |
Shreds
短いノートを刻む際に使用します。
F♯2キー | G♯2キー | A♯2キー | C♯3キー | D♯3キー |
32分音符 軽くミュート |
32分音符 ハーフミュート |
32分音符 フルミュート |
16分音符 ハーフミュート |
16分音符 フルミュート |
Repetitions
それぞれ4分音符,8分音符,16分音符を刻む際に使用します。
⑱ Key
Playerモードの⑩ Keyと同様に、その調のメジャースケールに含まれる音のみが⑲ Play Rangeの各キーに割り当てられます。
⑲ Play Range
Playerモードで「Chords」を選択したときと同様に、4和音までのコードを入力することができます。
その他の操作(Instrumentモード)
Instrumentモードにおける、キー操作以外の部分について見ていきます。
⑳ Volume
左のスライダーから、音量を-infから+12dBの間で調整します。
また、右のメーターで音量を確認します。
㉑ Pitch
ピッチを-1全音~+1全音の範囲でベンドします。
㉒ Finisher
後述のFinisher Levelと同じ動作をします。
㉓ Micro Timing
Playerモードのみ有効な機能のため、Instrumentモードでは使用しません。
㉔ Latch
この機能を有効にすると、⑲ Play Rangeで選択したキーが手を離した後も記憶され続けます。
これにより、同時に押さえることなく⑰ Articulationsを操作できます。
サウンドメイク
ギターのサウンドの調整やエフェクトの追加を行うエリアです。
㉕ Severity
歪み量を調整するためのノブで、一般的なギターアンプのGAINノブにあたります。
2時方向あたりから、一般的なGAINノブの範囲を超えて歪み始めます。
㉖ Condition
サウンドの種類を選択します。下から上へ向かうほど激しいサウンドになります。
㉗ Focus
イコライザー設定。フォーカスする音域を調整します。
左に回すと低域が、右に回すと高域が強くなります。
㉘ Filter
フィルター設定。
左に回すとローパスフィルターが、右に回すとハイパスフィルターがかかります。
㉙ Finisher Mode
サウンドデザイン用のエフェクトを選択します(全75種類)。
各エフェクトの説明はユーザーガイドを参照してください。
㉚ Finisher Level
㉙ Finisher Modeで選択したエフェクトのレベルを調整します。
㉛ Layerer Configs
ギターサウンドの音源レイヤー数を選択します。
数が増えるほどサウンドの厚みが増します。
㉜ Layerer Image
各種Layerer関連パラメータを調整した結果を視覚的に確認できます。
また、左右の音源レイヤーのON/OFFを切り替えることができます。
㉝ Layerer Distance
音源レイヤーとの距離を調整します。
㉞ Layerer Spread
音源レイヤー間の距離を調整します。
㉟ Layerer Separation
値を上げると、音源レイヤー間での音域の重複が減り、立体感のあるサウンドが得られるようになります。
Tips
ここまでで紹介できなかった機能のうち、特に知っておくと便利なものを紹介します。
MIDIフレーズの作成
Playerモードの各フレーズは、各キー上部の6ドット部分をDAWのトラックへドラッグ&ドロップすることにより、MIDIとして取り出すことが可能です。
フレーズを改変したい場合などに使用します。
MIDI関連機器との連携
ノブやセレクターは、右クリックから「Learn MIDI CC…」を選択することにより、MIDIキーボードをはじめとしたMIDI関連機器のコントロールに割り当てることができます。
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでもどなたかのお役に立てていれば幸いです。
記事を書くにあたり、入念に調査を行っておりますが、もし間違いなどありましたら、お問い合わせフォームからご連絡を頂けますと幸いです。