はじめに
前回の続きです。
後編ではハイエンド系を中心とした8機種のアンプを紹介します。
アンプ紹介
Mesa/Boogie社製アンプ
Mesa/Boogie社は、1969年にアメリカで設立されたアンプメーカーです。
小さなリペアショップから始まりましたが、その技術力がCarlos Santanaをはじめとしたミュージシャン達の目に留まり、次第に注目を集めるようになりました。
Markシリーズ
画像は現行品のMark IIC+ 1×12 Combo(Mesa/Boogie社の製品ページより引用)
該当PREAMP TYPE: BG-LEAD, BG-DRIVE
Markシリーズは、70年代に製造が始まった真空管アンプのシリーズです。「Fender Princeton」に改造を施した試作アンプを原点として、改良が重ねられてきました。最新機はMarkⅦとなっています。
「BG-LEAD」では通常時の中域強めなサウンドが、「BG-DRIVE」では高音域調整用のTreble SHIFT Swを有効にしたバランスのよいサウンドがモデリングされています。
DUAL Rectifier
画像は現行品の90s Dual Rectifier(Mesa/Boogie社の製品ページより引用)
該当PREAMP TYPE: R-FIER VTG (R-FIER VINTAGE), R-FIER MDN (R-FIER MODERN)
DUAL Rectifierは、1990年代初頭に発売された真空管アンプです。
攻撃的なハイゲインサウンドが特徴で、特にヘヴィメタルなどの分野で人気を誇っています。
アンプ内部には切り替え可能な2種類の整流回路が搭載されており、これがモデル名の由来となっています。
複数のスタイル・モードを備えていることも特徴で、GT-1ではそのうちのVintageモードとModernモードがそれぞれモデリングされています。
Marshall社製アンプ
Marshall社は、Jim Marshallによって設立された、イギリスのアンプメーカーです。
圧倒的な音量と力強いサウンドを持つアンプで世界中のロックシーンに大きな影響を与えてきた同社は、代表的なアンプのブランドの一つとなっています。
1959
画像は復刻版の1959SLP(Marshall社の製品ページより引用)
該当PREAMP TYPE: MS1959 I, MS1959 I+II
1959は、1965年に発売された真空管アンプです。紛らわしいですが、1959は型番であり、製造年ではありません。一時期のパネル素材がプレキシガラスのようであったことから、「Plexi」という愛称でも呼ばれるようになりました(実際はポリカーボネートだった模様)。
Marshallの代表的なモデルの一つであり、「Marshallサウンド」とも呼ばれる、中音域豊かな特有のドライブサウンドが特徴的なアンプとなっています。
高域の効いたチャンネル1と低域が強めのチャンネル2を有しており、PREAMP TYPEの「MS1959 I」ではチャンネル1に接続した際のサウンドがモデリングされています。また、2つのチャンネルをリンク接続することにより、両方をミックスさせることも可能で、「MS1959 I+II 」はこのサウンドをモデリングしたものとなっています。
Hughes&Kettner社製アンプ
Hughes&Kettner社は、1984年にドイツで設立されたアンプメーカーです。読みは「ヒュース・アンド・ケトナー」。
多彩なサウンド・コントロールを持つ、モダンなアンプを製造しています。
Triamp
画像は現行品のTriamp Mark 3(Hughes&Kettner社の製品ページより引用)
該当PREAMP TYPE: T-AMP LD (T-AMP LEAD)
Triampは、1995年に発売された真空管アンプです。
キャラクターの異なる3つの入力チャンネルを備えていることが特徴の一つであり、GT-1ではAMP3チャンネルから得られるハイゲインなリードサウンドがモデリングされています。
同社のフラッグシップ・シリーズとして、2002年にMark 2が、2015年にMark 3が発売されました。
Soldano社製アンプ
Soldano社は、1986年にMichael Soldanoによって設立された、アメリカのアンプメーカーです。
ハイゲインな傾向にありながら、クリーンやクランチのサウンドにも定評があり、幅広いギタリストに愛用されています。
SLO-100
画像はSoldano社の製品ページより引用
該当PREAMP TYPE: SLDN
SLO-100は、1987年に発売された、Soldanoのフラッグシップにあたる真空管アンプです。名前は「Super Lead Overdrive」および出力100Wを意味しています。
GT-1のパラメーター・ガイドにもある通り、80年代を代表するアンプの一つであり、著名なユーザーとしてEddie Van HalenやEric Claptonなどがいます。
Peavey社製アンプ
Peavey社は、1965年にHartley Peaveyによって設立された、アメリカの大手オーディオ機器メーカーです。
ギターアンプの製作から始まり、現在はギターやマイク、スピーカーなど多岐にわたる商品を手掛けています。
EVH5150
画像は現行品の6505 1992 Original(Peavey社の製品ページより引用)
該当PREAMP TYPE: 5150 DRV (5150 DRIVE)
EVH5150は、1992年に発売された真空管アンプです。
EVHの名の通り、Eddie Van Halenのシグネチャー・モデルとして発表されたもので、「5150」もEddieのアルバム名に由来しています。同アンプは、開発当時にEddieが使用していた、前述のPeavey SLO-100をベースとして設計されました。
LEAD/RHYTHMの2チャンネルを有しており、GT-1ではLEAD側のサウンドがモデリングされています。
2004年にPeaveyとEddieの契約は終了しましたが、Peaveyの40周年(65年~05年)モデル「6505」として、ほぼ同一の仕様のまま製造が続けられています。
また、Eddieが立ち上げた自身のブランド「EVH」から、後継の5150シリーズが販売されています。
Bogner社製アンプ
Bogner社は、1989年にドイツ人のReinhold Bognerによって設立された、アメリカのアンプメーカーです。
1992年発売の「Ecstasy」をはじめとした、強力なハイゲイン・サウンドを武器とするアンプで人気を集めています。
Uberschall
画像は代理店であるミュゼット・ジャパン社の製品ページより引用
該当PREAMP TYPE: BGNR UB
Uberschallは、2001年に発売された真空管アンプで、その名前はドイツ語で「超音速」を意味します。
Bogner社製のアンプの中でもトップクラスにハイゲインなモデルで、特にハードロックやメタル系のギタリストに支持されています。
ノーマル/ハイゲインの2チャンネルを有しており、GT-1ではハイゲイン・チャンネルのサウンドがモデリングされています。
後継機として、2023年に「Uberschall Ultra」が発売されました。
ORANGE社製アンプ
ORANGE社は、1968年にイギリスで設立された音響メーカーです。
同社製のアンプは、社名通りのオレンジ色のカバリングがトレードマークとなっています。
そのユニークなサウンドは、70年代以降のブリティッシュ・サウンドを特徴づけるものとなりました。
ROCKERVERB
画像は現行品のROCKERVERB100 MKIII(ORANGE社の製品ページより引用)
該当PREAMP TYPE: ORNG ROCK
ROCKERVERBは、2003年に発売された真空管アンプです。
Orange初のハイゲイン・アンプとして、従来の同社製アンプにはできなかった幅広いサウンド・メイクを実現しました。
クリーン/ダーティの2チャンネルを有しており、GT-1では幅広いゲイン幅が特徴的なダーティ・チャンネルのサウンドがモデリングされています。
同社を代表するアンプ・シリーズとして、2010年にMkⅡが、2015年にMkⅢが発売されています。
終わりに
今回は以上となります。
近いうちにエフェクターについても同様の記事を書く予定です。
記事を書くにあたり、入念に調査を行っておりますが、もし間違いなどありましたら、お問い合わせフォームからご連絡を頂けますと幸いです。
参考
・BOSS GT-1 パラメーター・ガイド / サウンド・リスト
・中野 豊「BOSS GT-1の教科書」(シンコー・ミュージック)
・ギター・マガジン「定番アンプ大図鑑」(リットーミュージック)